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第7回大阪アジアン映画祭で見事グランプリとABC賞をダブル受賞したコンペティション部門出品のインド映画『神さまがくれた娘』。『アイ・アム・サム』にインスピレーションを得たというA.L.ヴィジャイ監督が、インドの名優ヴィクラムとタグを組んで描き出した壮大な父娘物語だ。

6歳の知能しかない主人公クリシュナをヴィクラムが全身全霊で熱演。前半はクリシュナがニラを愛情いっぱいに育てる微笑ましい姿が描かれ、後半は引き離された2人の苦痛と法廷での争いに焦点を当てている。重い題材を盛り込みながらも、自然豊かな村で歌って、踊って、ミュージカルのようなシーンもあり、映画がエンターテイメントであることを存分に心得ているインド映画らしい楽しさにも溢れている。

クリシュナとニラの姿に感動の涙が溢れた上映のあと、ゲストとして来阪したA.L.ヴィジャイ監督、主演のヴィクラムが登壇し、観客とのディスカッションが行われた。



━━━ヴィクラムさんの知的障害者役が素晴らしかったが。
ヴィクラム:過去にも『Pithamaga(ピタメガン)』(03)ではセリフがなかったり、『Sethu(セトゥ)』(99)では事故で少し知恵遅れになった人物の役を演じたことがありますが、今回はセリフが多かったので、それを言うのが難しかったです。色々な障害者施設に行って、動きやセリフの言い方を勉強しました。
(クランクインして)最初の10日間ぐらいが経つと、私もクリシュナのことが好きになって、愛情を分け合うことができました。本作を見終わってから自分の娘に電話をしたというお客さんの声もいただきましたが、そんな優しいメッセージが溢れている作品です。

━━━多重人格や視覚障害など、普通の人とは少し違う役をすることが多いのはなぜか。
ヴィクラム:私は自分と正反対の役をやりたいと思っています。現在、ヴィジャイ監督と撮影中の作品では目が見えない警察官役を演じています。でもクリシュナ役は今までで一番難しかったです。ヴィクラムの中には絶対にない部分を持ち合わせた役ですから。

━━━ニラとクリシュナが手遊びをするシーンはアドリブか。

監督:ニラ役のサラちゃんは以前から知っている子でしたが、「この幸せな子は誰だろう。」というぐらいかわいい子です。レッドカーペットでも抱っこをするとサラちゃんは怒って、一人で立派にポーズをとるしっかりした面もありましたね。サラちゃんは日頃はヒンディー語を話しているのですが、本作ではタミル語で全てのセリフを言っています。全然違う言葉ですから、本当にすごいことです。細かいところも全て指示を出していますが、サラちゃんはそれに足した演技をみせてくれました。

━━━今後タミル語圏映画はどういう方向に向かっていくのか。
監督:私たちの文化習慣や、子守歌からはじまる音楽は映画の要素として外せません。インド映画で歌と音楽は欠かせないものですし、我々は感情表現が激しいので、それらを使って表現しているのです。

 

(2012.1.20 大阪ステーションシティシネマ) ゲスト:林遣都、駿河太郎

 

荒川1.jpg 中村光の人気コミック『荒川アンダー ザ ブリッジ』が、『荒川アンダーザ ブリッジ THE MOVIE』としてスクリーンで新しい世界を見せる。2011年夏にオンエアされたドラマと同時撮影をした本作は、ドラマ版とはまた違った見せ場を用意。主人公リクと金星人ニノのラブストーリーを中心にしたちょっとロックなファンタジーに仕上がっている。本作の初舞台挨拶が、出身地の関西からということでハイテンションの林遣都、駿河太郎を、会場から熱い「座長」コールがさらに盛り上げ、トーク前から『荒川アンダーザ ブリッジ』ワールドが全開。映画さながらのボケとツッコミを交えながら、撮影現場でのエピソードを披露してくれた。

 

(最初のご挨拶)

林:こんばんは。一ノ宮行(リク)をやらせていただきました林遣都です。今日は平日のお忙しい中お越しいただきありがとうございます。映画版初舞台挨拶ということで、地元関西でやれて幸せです。今日は太郎さんがいるのできっと幸せな時間になると思います。よろしくお願いします。

駿河:ラストサムライ役をやらせていただきました駿河太郎です。舞台挨拶自体が初めてで、僕関西でレギュラーやらせてもらっているんですけど、ここ大阪ステーションシティシネマでも早めにきて一人でその辺に座ってよく映画を見ています。こんなところに立たせてもらって座長、ありがとうございます。

━━━豪華キャスト勢揃いの中、座長と呼ばれるのにプレッシャーを感じませんでしたか?

林:今は何も感じなくなりました。もともと飯塚監督が僕からあまりモチベーションを感じられなかったからか、プレッシャーをかけてきて、「主演というのは座長だからな。頼むよ。」みたいな感じで。それを聞きつけた村長役の小栗旬さんが「おまえ座長なんだってな。」と、それを聞きつけたみなさんが悪用ですよ。(笑)

━━━なかなか不思議な世界観でしたね。

林:いろんなことを忘れて楽しめる映画なので、もうほんとに夢の世界に行ってきてくださいという感じですね。

━━━お互いの第一印象やその後の印象はいかがでしたか。

駿河:座長の風格があるといった感じですね。一回り年が違うんですけど、むっちゃしっかりしてるでしょ。遣都の横にいると年が一回り上と言うことを忘れるぐらいすばらしい人でしたね。

林:関西人だったということですごく接しやすかったし、僕ら二人はロケで泊まることが多かったので、太郎さんとは相当長い時間を共にしました。一回り上ですけど、お酒を飲んで「おっさん、何言ってるんだよ。」と言ってしまったこともあって。今日久しぶりに会ってちょっと失礼しすぎたかなと。

━━━独特のボケとツッコミが印象的でしたが。

駿河:撮影に入った当初は関西人ですし、こういうシュールな笑いは好きは好きですので、色んなことを考えていったのですが、そういうことを全員でやるとゴチャゴチャになるのでその中でラストサムライは何もせずに遠い目をするということで最終的には落ち着きました。本当はやりたいけれど、あえてしないというところでラストサムライという役に向き合ってました。

林:(唯一のツッコミで関西人としての血が騒いだかとの問いに)全然です。普段もあまりツッコんだりしないですし、関西弁もあまりしゃべらなくなったので・・・

~観客から「しゃべって!」とのツッコミに~

いやや!(場内大爆笑)

よくツッコミポジションと言われるんですけど、実際監督は原作にはけっこう激しいツッコミはあるけど、それは気にしなくていいと。これは人間ドラマであり、人間が演じるので、ああいった変なルックスをした人が目の前に現れた時のリアルな反応をしてくれと言われました。

━━━今回の撮影はテレビ版と映画版を同時進行で撮影されたそうですが、大変でしたか?

駿河:スタッフも含めて全員がそういった撮り方をするのがはじめてでした。映画版とドラマ版である箇所だけセリフが違うという撮り方もしていますが、ノリや空気感はブレがないですから、そこに関しては役者として戸惑いは感じませんでした。

━━━映画の中で一番気に入っているシーンは?

駿河:正直ラストサムライは何もしないことに重きを置いていたので、映画でも何もしていないんですよ。(笑)だから、ここは遣都に任せます。

林:ドラマの話をしていいですか?(場内大爆笑)

駿河:これだけドラマを観ている人が多いんですから、今から映画を観るのに映画のことを話すとネタバレになってしまいますからね。ドラマの話でいきましょう、裏話的な。

林:僕が『荒川アンダー ザ ブリッジ』を撮影して一番笑いが止まらなかったことがあったんです。それは太郎さんのシーンで、ピーコが村長にフラれてピーコに思いを寄せるラストサムライがピーコを励ましに行く。台本上に「ピーコの心が開く。ラストサムライが抱きしめる。」とト書きがあって、撮影前に太郎さんと孝之くんと話していると、太郎さんがふと「ピーコを抱きしめるっていうの、後ろからいきたいねんな。」と。

駿河:自分の中の絵的に後ろから女の人を抱きしめる方がぐっとくるなと思って、僕はそれを何の気持ちもなく、二人に話をしてたんです。

林:撮影がはじまってすぐ、太郎さんが飯塚監督に「抱きしめるっていうところ、後ろからでいいですか。」その瞬間、「本当に言ったんだ。」と笑ってたんですよ。すると監督は「いや、それはない!」と即却下。それを見て大爆笑で、そんなシーンがありましたね。

 

━━━最後に一言ずつお願いします。

駿河:『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』、大の大人がおおまじめにふざけまくっています。それだけではなく、人として考えさせられるすごく深いテーマを持っていますので、ぜひ最後まで楽しんで帰ってください。ありがとうございました。

林:2月4日、あと2週間で公開になります。今日観て面白かったと思ったら、一人でも多くの人に、見に来てくれる人が増えるように、よろしくお願いいたします。

舞台挨拶後のフォトセッションで「笑顔足りひんで!」と観客のあたたかいツッコミに思わず登壇者の笑みがこぼれる場面も見られ、和気藹々とした舞台挨拶となった。小栗旬のカッパの村長や、山田孝之のロックな星など個性的メンツが集まった『荒川アンダーザ ブリッジ THE MOVIE』。奇想天外な住人達や金星人ニノに翻弄されながらも恋をし、父親と向き合い、成長していく主人公リクの姿を見届けてほしい。

 

作品情報:『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』

2012 日本 1時間55分

監督: 飯塚健

原作: 中村光(掲載「ヤングガンガン」スクウェア・エニックス刊)

出演:林遣都、桐谷美鈴、小栗旬、山田孝之、城田優、上川達也、駿河太郎他

2012年2月4日~新宿ピカデリー、大阪ステーションシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国一斉公開

公式HP→http://autb.jp/

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